授乳中のアルコールはどのくらい大丈夫?

年末年始や夏休みなど、親戚や友人と合うと身近になるアルコール。 授乳中はアルコールを飲むことができるのでしょうか。
母乳へのアルコールの移行などについて管理栄養士が説明します。
妊娠中は我慢してたけど・・・という方も多いのではないでしょうか?

今回はアルコールと授乳の関係についてお話ししたいと思います。

アルコールは母乳に移行するの?

はい。アルコールは摂取すると急速に母乳へ移行します1)ので、
授乳中のアルコール摂取はなるべく避けたいものです。

摂取したうちの一部であり、全部のアルコールが移行するわけではありませんが、
移行する時間は、飲酒してから30分〜1時間くらいで母乳に含まれるアルコールの匂いがピークになる1)とも言われています。

なるべく飲酒を避けることが望ましいですが、
どうしても飲みたい場合は授乳タイミングを事前に考えて、
飲酒する直前に母乳あげるなどを考えたいものです。

授乳中 妊婦 アルコール 授乳婦  ビール これは麦茶 お酒

授乳中にアルコールを飲む際、気をつけたいこと

女性は男性よりアルコール分解スピードが遅い2)という話もありますし、
授乳中となればなおさら避けた方がいいでしょう。

しかし、「絶対ダメ」と言ってしまうとストレスになってしまうかもしれませんので、
以下のことだけ守ってください。

飲酒するなら守ってほしいこと

・アルコール摂取後2時間は避ける

・母親がアルコールの影響を感じなくなるまで授乳をまつ

米国小児科学会では以上の2点を推奨1)しています。

また、新生児期などは、授乳回数が多くタイミングが難しいので、
より一層注意が必要です。飲酒前に母乳を十分にあげるようにしましょう。

飲酒するとお母さんの眠りが深くなり、赤ちゃんの動きや泣き声に気づかないことも・・・
乳幼児突然死症候群(SIDS)などを予防するためにも、飲酒量が多い日の添い寝は避けることも大切です。

授乳中に気をつけたい

【関連記事】妊娠中、惣菜や冷凍食品の摂りすぎはダメ?

お酒は何をどのくらいなら飲んでも大丈夫?

「どのくらいなら飲んでもいいの?」と回答を求められそうですが、まず赤ちゃんに移行してしまうことを忘れないでください。

米国小児科学会では、アルコールの許容範囲は0.5g/母親の体重(kg)1)としています。
これだと計算をするとビール500mlほどに値してしまいますので、少し多いかなと思います。

人によって、酔う度合が違うのと同じく、お母さんによって、お酒に強かったり弱かったり、また体重や体調によっても状況が異なります
人によって、酔う度合が違うのと同じく、お母さんによって、お酒に強かったり弱かったり、また体重や体調によっても状況が異なります
管理栄養士

管理栄養士

血中濃度で考えるなら、アルコール計算機(WEB)によると、体重50kgの女性が飲んで、2時間ほどでアルコールが体からなくなる量は下記の表のようになります4)  。

お酒の種類飲む量体からお酒がなくなる時間
ビール(アルコール度数5%)350ml2時間12分
発泡酒(アルコール度数3.5%)350ml1時間30分
ワイン(アルコール度数 14%)100ml1時間48分
缶チューハイ(アルコール度数5%)350ml2時間12分
日本酒(アルコール度数 20%)80ml*
*水をたくさん飲みましょう
2時間0分

アルコール度数はメーカーによってもかなり違いがあるので、あくまでも参考です。

書籍にも「ビールなら350ml 1本くらい、グラスワインなら1杯程度3)とされていることから、こ
の表くらいの量が守れるといいかもしれませんね。

どうしても飲みたい時にはノンアルコールビールや、ノンアルコールの梅酒やカクテルなどを上手に利用するのもいいでしょう。

楽しい場でのお酒は予想以上に進むものです。お酒を飲む時は注意して飲んでくださいね

授乳中に アルコールを含んだお菓子を食べた場合は?

ではお酒だけではなく、アルコールを含んだお菓子はどうなのでしょうか。

いただいた焼き菓子にブランデーが入っていました。匂いもするのですが食べても大丈夫ですか?
いただいた焼き菓子にブランデーが入っていました。匂いもするのですが食べても大丈夫ですか?
ブランデーの香りがしても、アルコール成分は焼いている間に飛んでいるかと思います。
ただし、上に塗ってある場合などやしみこませた物などもあったりしますね。ただ、そのような場合でも一度沸騰させたものが多いかなとは思いますが、心配な場合は避けるか授乳間隔を開けてみても良いかもしれません。
多くの場合は焼いている間にとんでいるので、ほとんどアルコールは残っていないでしょう。
ブランデーの香りがしても、アルコール成分は焼いている間に飛んでいるかと思います。
ただし、上に塗ってある場合などやしみこませた物などもあったりしますね。ただ、そのような場合でも一度沸騰させたものが多いかなとは思いますが、心配な場合は避けるか授乳間隔を開けてみても良いかもしれません。
多くの場合は焼いている間にとんでいるので、ほとんどアルコールは残っていないでしょう。
管理栄養士

管理栄養士

基本的に、お菓子に含まれる香り付け程度のアルコールは気にする必要はありません。例えば私達の周りにはしょうゆなどのようにアルコールを含む物も摂取しています。しかしながら、私達の生活に影響がないのは、摂取量と含有量がとても少ないからです。

たくさん食べれば問題になることもあるかもしれません。例えば焼き菓子の上にアルコールがかかっているところだけを数十個舐めとるというようなことです。でもそれは現実的ではありませんよね。
焼き菓子だけではなくてもゼリーなどでもアルコールが気になっていたら、沸騰されているかどうかを確認してみるといいですね。 

【関連記事】妊娠・授乳中、卵・牛乳アレルギー予防できる?

参考文献

1)医師のための母乳育児ハンドブック ,米国小児科学会 著,メディカ出版
)お酒と健康ABC辞典,キリンビール株式会社
3)エビデンスをもとに答える妊産婦・授乳婦の疑問92,堀内成子 他共著,南江堂
4)アルコール計算機 http://hangover.hajime123.net/06.html

著者執筆の記事一覧

渡邉ゆうか
渡邉ゆうか
母子栄養指導士 / 大学三年生
大学で栄養学を学びつつ、母子栄養についても知識を深めている。
将来の夢は、妊娠期から学童期までの食事で大切なことを伝えていき、より良く、楽しく、笑顔の溢れる食卓作りをサポートすること。
コピーしました

お問い合わせ

母子栄養協会のWebサイトをご覧いただきありがとうございます。
当協会の事業内容や資格講座についてのお問い合わせは下記のフォームより承ります。

※資料請求、最新情報が受け取れるメールマガジンへの登録もこちらのフォームで承ります お問い合わせフォーム